女性向け恋愛ゲーム制作の仕事で失敗したこと
私は過去にゲームのディレクターを行っており、2本ほど制作に関わってきました。内訳は男性向けスマートフォンゲームが1本と、女性向けコンシューマーゲームが1本です。
今回はその中で経験してきた、女性向け恋愛ゲーム(コンシューマータイトル)制作でも失敗談についてお話ししていきます。
今回の失敗プロジェクトに関わるようになった経緯
ゲーム制作の仕事をしていると、一般企業では到底採用されないレベルの人間と一緒に仕事をすることがあります。人の話を理解しようとしない、指示した作業に取り掛からない、業務連絡に一切返事をしない、など挙げればキリがありません。
今回例に挙げてお話しするのは、私が関わった女性向け恋愛ゲームのプロデューサーについてです。
本来ゲームのプロデューサーというものは、さまざまな業務を担当しプロジェクト全体を見なければいけません。予算や人員の管理、制作進行の統括など業務は多岐に渡ります。
しかし私が関わったタイトルのプロデューサーは、そういった業務が一切できませんでした。ただそれはある種仕方のないことで、そのプロデューサーの前職はゲーム会社の社員だったのですが、業務経験はスクリプトの入力作業のみで、それ以外の作業については完全に素人状態だったためです。
さてそんな問題を抱えているプロジェクトなわけですが、当然スケジュール通りの制作などできません。プロデューサーの問題以外にもさまざまな要素が関わってきますが、当初の発売日には発売できないことが確定してしまいました。そこでこの炎上プロジェクトを救済するべく、私と上司、社員もう2名が制作チームに加わることになりました。
仕事のできない社員がいるだけで抱えてしまうリスク
先ほどのお話で、今回のプロジェクトのプロデューサーはプロデューサーとしての能力は全くないことがわかっていただけたかと思います。
ですがプロデューサーとしては何もできなくても、プランナーなど何かできる作業があれば、プロジェクトで役割を果たすことができます。
しかしこのプロデューサー、他のことも一切できませんでした。具体例を挙げると
・内容を確認して返事をするように指示した作業を、必ず締め切りが過ぎた後に返事をする
・リマインド(作業が進んでいるか、遅れそうかといったことの状況確認)連絡を全て無視する
・自分の作業の進捗状況を一切報告せず、上司に聞かれても不貞腐れるだけで回答しない
・人の話を聞こうとせずに自分勝手に行動する
など、他にも細かいところで「指示された業務に取り掛からない、言われたことに反応しない」ということが続きました。
しかしこんな人物であっても、会社からプロジェクトメンバーに組み込まれています。そのため何か作業をさせなければなりませんでした。ですが上記のような人物であったため、非常に簡単な作業であっても一切進捗せず、これが祟って2回目の発売延期につながることとなりました。
最終的には私や他の担当者がこのプロデューサーがやるべき作業を巻き取り、なんとか発売だけはすることができました。
今後ゲームを作りたいと考えている方へ
今後ゲームを作ろうとしている人へ、私の今回の失敗から以下の教訓をお伝えします。
・指導しても改善されない場合は、プロジェクトから外して代わりの人材を用意してもらう
・代わりの人材もいないようなら、自分が業務を巻き取ることも進言してみる
・自分が業務を巻き取る場合は、必ず記録をつけておき、人事査定の際に資料として提出する
正直これはゲーム作りに限らずどんな会社でもダメな人物に当たった時の対処法ですが、気をつけておかないとあなたが足を引っ張られてしまい、キャリアに傷がついてしまいます。
私は上記の対策が不十分で、キャリアにかなりのダメージを受けました。私の失敗を活かして、皆さんがビジネスで不利益を被らないようにしていただけると嬉しいです。
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