好きな声優を自社ゲームに出演させたい!声優の魅力を猛プッシュだ!

TCG

この記事はこんな人におすすめです!

・声優が好き!
・好きな声優と一緒に仕事がしたい!

はじめに

皆さんは声優が好きですか?私は好きです。イベントやライブに行くほどではありませんでしたが、好きなキャラクターの声優が出演しているラジオを聞く程度には好きでした。
そんなわけで、今日は私がスマートフォンゲームのディレクターをしていた頃に「自分の好きな声優を自社開発のゲームに出演させる」という目標を達成するまでのプロセスをお話しします。

好きな声優を自社開発のゲームに出演させる(仕込み編)

私がスマートフォンゲームのディレクターをしていたという話は別の記事で書いておりますので、全体の仕事が知りたい方はそちらを読んでください。
当時私は自社タイトルのスマートフォンゲームに追加するキャラクターの選定を担当していました。トレーディングカードゲームのキャラクターを流用したゲームでしたので、そのコンテンツのユーザーが手に入れたくなるようなキャラクター(すでにある程度人気のあることがわかっているキャラクター)を追加して、ガチャを回してもらうことが使命でした。
売り上げは大事なのでカードゲームで人気のキャラクターを追加しなければならないのですが、いくつかのキャラクターはすでにドラマCDなどで声がついていました。そこで目をつけたのが登場したのが比較的新しく、これからカードゲームの方でプッシュしようとしているキャラクターです。こちらはまだ声がついていない状態だったので、これから新しく声優をあてていくところでした。そういったキャラクターをピックアップして、ゲームの追加キャラクターを最終判断する上司に相談しました。私が追加したいキャラクター云々は置いておいて、元々登場させる価値のあるキャラクターです。上司の承認はすんなり下りましたので、開発会社に追加キャラクターとして発注します。
そしてここからが本番です。そのキャラクターに合う声優の中から、自分が好きな声優をプッシュするステップです。声優を誰にするかはスケジュールや出演料なども加味して、カードゲームの世界観設定の担当者が決定します。その担当者に「今度追加するキャラクターは〇〇さんがいいと思います!自分の中ではキャラクターのイメージと一致するし、若手で人気の声優でもあります!きっとお客さんも喜んでくれるはずです!」とかなんとか言って説得します。嘘は一切言っていないので、強い説得の結果なんとか通すことができました。こういう手口を使って、2名ほど自分の好きな声優をゲームに登場させることができました

好きな声優を自社開発ゲームに登場させる(収録編)

好きな声優をゲームに登場させることができたあとは、スケジュールを調整して収録します。収録にはカードゲームの世界観設定担当者が立ち会うことが多いのですが、メイン以外の一部キャラクターは私が立ち会うこともあります。ここでは自分が収録に立ち会えることを祈りつつ、声優のスケジュールが出るのを待ちます。その結果1キャラクターは収録立ち会いができることになり、意気揚々と収録スタジオに行くのでした。
収録当日は収録会社の方にまずはご挨拶。その後当日収録するキャラクターの声優がスタジオに到着するので挨拶を済ませ、その日に収録するキャラクターの概要やゲームの世界観を伝えます。収録する音声の数自体はパートボイス(ゲームで特定の行動をする際に流れる音声)のみなので、約60ワードと少ないです。
収録の流れとしては、1つのボイスを収録し、続けて次のボイスを収録するというのを繰り返します。イントネーションの違いや読み間違いがあればその場で取り直し、一旦最後まで収録を進めます。その間に現場の音響監督と私が気になった音声のセリフにチェックを入れておきます。チェックを入れたボイスは収録が通しで終わった後に聞き直し、取り直しが必要であればその部分の音声だけ改めて録り直します。音響監督はノイズや発音などの技術的なチェックを担当し、私はキャラクターに合っているかや、ゲームで再生するシーンの尺に合っているかを確認します。そうして録り直しまで終われば、声優の仕事は終了です。あとは音響会社が不要な空白をカットする作業などの調整を行い、後日納品されます。
収録が終わった後の私は、満足感に満ちていました。今収録してもらったボイスが後日ゲームの中で再生され、聞いて楽しむことができるからです。担当声優には深い感謝の意を伝え、スタジオの出口まで見送りました。お忙しい方なので雑談などはできませんでしたが、いい思い出になりましたね。自分が好きなプリキュアの声優に担当してもらえるなんて感激です。

好きな声優を自社開発ゲームに登場させる(実装編)

収録したボイスが収録会社から納品されたら、それをゲームの開発会社に送ります。ここまで来ると私がやることはほとんどありませんので、開発会社がゲームに組み込んでくれるのを待ちながら仕事をします。そして後日、テストプレイ版に実装された内容を問題がないかチェックします。あとはゲームキャラクターとして性能面を開発会社が設定し、ゲームに登場することができます。
ゲームに実装された状態の新キャラクターはしっかりイメージに合っていました。お客さんからの反応も上々で、猛プッシュしておいて良かったなと思いました。

最後に

声優が好きで一緒に仕事がしたいのであれば、ゲーム会社で担当するタイトルに出演してもらうというのも手ではないかなと思います。もちろん出演させるに値する理由づけは必要ですが。あとはアニメやゲームの収録に強い音響会社に就職するという手もありますね。

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